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金柑少年

.08 2009 山海塾 comment(0) trackback(0)
山海塾「金柑少年」

2009030820480000.jpg

まず、山海塾の公演ポスターはいつも本当に美しい。
凄く好きなので、公演チラシは集めて部屋に飾ってる。



今回は、若手さんのみの舞台で、1978年初演の「金柑少年」リヴァイバル公演、ということだった。
天児さんも、蝉丸さんも出ないので、どんな風になるのかな?と思っていたけれど、やっぱり、本当に本当に良かった。
演出自体は、78年の初演当時とほとんど変わっていないという話だったけど、なるほど、と思った。
どことなく、アヴァンギャルドな香りがする。
特に、最近の作品「とばり」「かげみ」を観たあとだから、余計にそう感じたのかもしれない。
最近の作品より、土臭さというか、何とも形容のつかない暗さとか、そういうものが強く感じられた。
私は最近の作品から入ったけれど、こっちの雰囲気のものにもすごく惹かれる。


まず、舞台には壁。
魚の尾ひれが無数に塗り込められている。
下手前には砂。
その後ろには、透明な板に赤い円が描かれたものが下がっている。

山海塾の舞台は、まず始まり方から普通の舞台とは違う。
客席まで真っ暗になり、闇に包まれる。
その闇の中でどこからともなく緊張感が生まれて、舞台上と客席が一瞬、一つになる。
そして、静かに、それは始まる。

掴みから圧倒的。
あぁ、山海塾だ!と思う。

顔を隠した四人の踊り手。
顔が無いと、どことなく、植物とか、そういう自然的なものを感じる。
意志が無いような、あるのだけど、存在していないような。
無意識に動いているかのように見えて、でも計算された動きであるという、なんだか宇宙的な、妙に視野が広いような感覚になる。

そして孔雀。
本物の孔雀が舞台上に出てくる。
このシーンについては、公演のあとの対談で、天児さんがおっしゃっていたことがとても強く心に残っている。

<最初、孔雀は抱かれ、拘束され、身動きができない。
 不自由な状態にいる。
 ところが、ある瞬間から、その立場が逆転する。
 孔雀は放たれ、自然の、意思のままに動く。
 逆に、踊り手は、舞台上で、振り付けや決められた空間の中で拘束されている。
 そこに、嫉妬が生まれる。>

このようなことを考えて作品をつくり、振りをつくり、演出するなんて・・・
本当に素晴らしい人だ。
このカンパニーに、そしてこのパフォーマンスに出会えた事を、本当に良かったと思った。

そしてかなり全裸に近い四人の踊り手。
前々から思っていたのだけど、山海塾の舞台には、一種の色気を感じる。
それは、公演の間流れたゆたう音楽と同じように、あの舞台上にずっと漂っているものだと思う。

何に似ているかといえば、大昔からずっとあった美学、例えばミロのヴィーナスのような彫像や、古来から造られつづけた仏像、そして磔にされたキリスト、そんなものに感じる色気と、かなり似通っている、あるいは同質のものなのではないか、と思う。
古寺で仏像を前にしたとき、そしてヨーロッパの中世の教会で宗教画を見たとき、そんなときに感じるものと、山海塾の舞台を観たときに感じるものは、個人的にかなり近いと思う。


微かに漂い続ける緊張感の中で、舞台はクライマックスへと進む。
壁が開いている。
開いた中には、青い空間。
天井から朱い逆三角形が下がり、その先端には一人の踊り手。

もう、これを見た瞬間の感覚は、感動という言葉で語るには余りにも勿体無い。
暗い舞台の中での、空間の青さ。
そして、三角形の朱さ。
踊り手の神々しいほどの白さ。



本当に良い舞台だった。
願わくば、初演当時のものも見てみたい。


そして7日は、終演後にパフォーマンストークとして、天児さんと蜷川幸雄さんの対談があったのでした。
これもなかなか興味深い内容だった。
さっき書いたような、舞台のことはもちろん、他にもいろいろ。
例えば、初演当時は、舞台装置のマグロの尾ひれを築地で無料でもらっていたんだけど、途中から怪しまれて一つ五円になっただとかw、それが完全に乾かないうちに舞台の日になってしまったので、なんとなく劇場全体が生臭くなっていたとかw
ますます初演が気になるw
あと、そのころは孔雀も天児さん家で飼っていたらしい。
何にしろ、蜷川さんも言っていたけれど、生き物を舞台上に出すなんてことを思いつき、そしてそれを現実にやってしまうんだから、本当に凄い。


次はいわきでの公演「卵熱~卵を立てることから」。
この作品も見たことがないので、とても楽しみ。





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